茶の病害とその防除 炭疽病

ダコニール1000登録あり

炭疽病

炭疽病 初期症状

炭疽病 症状2

炭疽病 症状3

ワンポイントアドバイス

炭素炭疽病は茶の最重要病害。
新芽生育期に降雨が続くと多発します。

  • やぶきた園、伝染源病葉の多い園、梅雨期に茶芽が生育する地域では特に注意しましょう。
  • 二・三番茶の摘採残葉発病も多発すると、慢性的に樹勢に影響。更にその後の茶期も減収。
1,000枚/㎡
500枚/㎡
100枚/㎡

秋芽の発病は「1㎥当りの発病葉100枚で1%の減収」を引き起こします。
静岡茶試では二番茶残葉での炭疽病の要防除水準は100枚/㎡としています。

ワンポイントアドバイス

重要なのは摘採、整枝後に残る葉を守ることです。

二番茶・摘採する三番茶
重要病害は炭疽病。炭疽病は主に上位3枚位に感染し、14〜20日で発病。つまり上位葉は炭疽病に感染しても、発病する前に摘採されてしまうため問題なし。「守るべきは下位1葉」防除適期は萌芽期〜1葉期。下位葉をしっかり守るには長い残効性が必要。
ダコニール1000の「萌芽期〜1葉期散布」が効果的!
摘採しない三番茶・秋芽
重要病害は炭疽病、褐色円星病。越冬葉層の充実が翌春の収量・品質に直結・守るべき葉が多く、防除期間も長い。「翌春一番茶のために体系防除が必要」褐色円星病は新葉を主体に硬化した成葉にも感染。感染期間が非常に長い。体系1回目は残効が長く茶芽のばらつきに強いダコニール1000で防除。
お薦めの体系防除!ダコニール1000の「萌芽期〜1葉期散布」+DMI剤の「3〜4葉期散布」(+褐色円星病発生園では出開き後〜硬化初期に追加散布)

発病条件と被害

  • 葉枯れ・落葉・樹勢低下を引き起こす最重要病害。
  • 降雨の多い二・三番茶期、秋芽生育期に発生。新芽生育期に降雨が続くと多発。
  • 新葉の毛茸より感染し14~20日で発病。感染には10時間以上の濡れ時間が必要。

耕種的防除

  • 多発状態の続く園では整枝・剪枝(深刈り等)により伝染源を除去。
  • 発生の多い地域では抵抗性品種を選ぶ。

防除時期と注意点

  • 二・三番茶/萌芽~1葉期 ◇ 秋芽/萌芽~1葉期 ◇ 秋芽/3~4葉期
  • 注意:EBI剤(DMI剤/SBI剤)の治療効果は、剤によって感染後5〜10日程度だが、いずれの薬剤も発病してからでは効果はない。

農薬の例:殺菌剤
1年を通じた病害虫防除 三番茶を摘採する園

1年を通じた病害虫防除 三番茶を摘採しない園