鹿児島経済連・肥料農薬課
今年の梅雨は概ね平年並みに5月31日に発表されました。現在梅雨の最盛期に入っていますが、比較的に晴天日が多いようです。二番茶摘採は各産地ともほぼ終わり、三番茶摘採も始まりますが、蒸暑い気候の中ご苦労様です。今回は、茶園を傷める第2世代クワシロカイガラムシの防除対策についてお知らせします。
発生概況・・・発生時期 早い 発生量 並
今年のクワシロカイガラムシ第1世代幼虫の発生は、発生時期は昨年および平年より早いでした。発生圃場率が13%(平年28%)、雄繭寄生株率8.3%(平年12.4%)で低く、被害茶園は殆どみられない状況でした。第2世代幼虫の発生は、県病害虫防除所の病害虫発生予察情報では発生時期が「早い」、発生量は「やや少」の予報になっています。先週本会で行った南薩地域など極く一部地域調査では、早場地域ではふ化始め頃で、その他の地域では概ね産卵時期になっていました。平均気温などを利用した防除適期予測では今年二番茶期の気温がやや低かったため第1世代ふ化最盛期から概ね66-68日後が第2世代のふ化最盛期になります。この世代の発生は、梅雨が明け、晴天が続くと定着が多くなり、発生、被害は増加することがあります。このため防除適期となるふ化最盛期は、極早い地域が6月6~7月1半旬、早場地域7月1~2半旬、中間地域7月2~4半旬、遅場地域7月3~5半旬頃と予想されます。
防除対策
防除適期は幼虫ふ化最盛期から約5日後頃迄です。これより早すぎて産卵の時期や、遅れて幼虫がロウ質の介殻で覆われるようになると効果はありません。防除の前に幼虫のふ化状況を調べ、防除適期を確認して防除します。(写真参照)防除時期が三番茶摘採期と重なり、防除が難しいと思われますが、この世代の発生は加害時期に晴天・乾燥が続くため、茶園は枯死や衰弱が激しくなるので、発生の多い園では摘採終了後速やかに防除を行います。また、今年も二番茶後浅刈り、深刈り更新園が多いですが、更新園では防除効果が上がり、芽の生育の遅れから再生芽(三番茶芽)生育初期頃に防除ができますので発生のみられる園は是非防除してください。防除は、枝幹にむらなく薬液がかかるように1000L/10a散布します。
※耕種的防除法
畑かん地区での散水防除法は、産卵末期頃から幼虫ふ化定着期まで約2週間、日中のみ間断散水(10分散水、20分無散水)します。
産地別のクワシロカイガラムシ防除適期(ふ化最盛期~5日)の目安
極早場産地
(枕崎市鹿籠・大塚 志布志市志布志 志布志市原田 鹿屋市高須・浜田など) 6月5-7月1半旬
早場産地
(枕崎市中原・茅野 南九州市知覧南部 南九州市頴娃中南部 志布志有明野神 鹿屋市東原 錦江町大根占 南さつま市金峰など) 7月1-2半旬
早場・中間産地
(南九州市知覧中部 頴娃谷場・瀬谷・北部 南さつま市東山 志布志市有明風八重など)7月2-3半旬
中間産地
(南九州市知覧中北部 川辺 南さつま市東山 日置市伊集院 東市来 鹿児島市松元 志布志市伊崎田 曽於市大隅・末吉 錦江町田代 出水市)7月3-4半旬
中間・遅場産地
(薩摩川内市入来・樋脇 さつま町 霧島市溝辺 曽於市財部 南九州市知覧後岳 南九州市川辺清水 南さつま市鐵山 など) 7月3-5半旬
遅場産地
(霧島市牧園 湧水町栗野 伊佐 など) 7月4-5半旬
防除適期は同じ産地でもほ場によって異なることがあります。このためこの情報は大まかな目安とし,正確な防除適期はJAの茶営農指導員や地域振興局などに調べてもらいましょう。