第11号 近年多くなっている 三番茶不摘採園の三番茶芽防除対策

鹿児島経済連・肥料農薬課

鹿児島の梅雨入りは平年より12日遅く6月 11日日に発表され、二番茶芽生育期前半は比較的に好天に恵まれました。漸く最盛期を迎え雨が多くなってきました。今年の茶市況も新型コロナ流行継続の問題などで一・二番茶とも厳ししい状況にあります。二番茶の摘採は進んでいますが、本県でも三番茶の一般摘採を止める園が多くなってきました。三番茶不摘採園は、梅雨末期の高温・多雨・多湿の気象条件下で茶芽は生育し、期間が長くなり、また深・浅刈り更新による再生芽の生育により病害虫の発生相にも影響が考えられます。このため来年産茶への影響が大きくなることが懸念されますので、その防除対策についてお知らせします。

三番茶不摘採園の管理と病害虫防除対策

三番茶を不摘採の場合生育の遅い園は、三番茶芽を8月最終摘採期頃まで生育させ、その後整枝や、軽く徒長枝整枝で、秋芽と一体で来年茶の親葉にする方法と、最近多い二番茶後に深・浅刈りし、再生芽を8月頃に整枝する方法など様々な管理法があるようです。何れも三番茶芽の生育期間は長くなり、病害虫発生は多くなるものがあり、親葉の充実への影響も懸念され、防除対策は通常管理とやや異なったり、重要になることがあります。薬剤防除で留意することは、三番茶芽を通常程度の高さで整枝する場合は摘採と同様に薬剤の使用回数はリセットされます。しかし徒長枝等のみの軽い整枝ではリセットされません。このため三番茶期から秋整枝までが連続して、一収穫期となり、薬剤選択には注意が必要になります。

発生する病害虫と防除対策

炭疽病・・・茶芽生育期が梅雨期になり、生育期間が長いため発生が多く多くなります。しかし、深刈り、浅刈りなどの更新園は伝染源病葉が少なくなるため発生は少なくなります。一般園では2回程度の防除が、更新園は生育後半(1回)の防除が必要です。

輪斑病、新梢枯死症・・・新梢枯死症は秋芽より三番茶芽への発生が多くなります。炭疽病と同時防除します。また輪斑病は三番茶芽または更新園再生芽の整枝時に感染しますので、整枝直後の防除が必要です。輪斑病菌は更新しても枝条、残葉に残り伝染源になります。

チャノミドリヒメヨコバイ チャノキイロアザミウマ・・・茶芽の生育期間が長く、加害が長くなり、更新園は芽が少ないため集中加害を受け、被害が大きくなることがあり。2回程度の防除が必要です。

ハマキムシ類 チャノホソガ シャクトリムシ・・・茶芽生育期間が長く、害虫の発生期と合うと被害がみられます。いずれも若齢幼虫期、葉潜期など適期防除します。

クワシロカイガラムシ チャトゲコナジラミ・・・第2世代虫の発生時期で、クワシロカイガラムシはふ化最盛期頃、チャトゲコナジラミは若齢幼虫期に防除します。クワシロカイガラムシの発生は少なく、防除の必要な園は少ないですが、チャトゲコナジラミの発生は拡大しており、注意が必要です。

三番茶不摘採園の三番茶芽生育期病害虫防除対策  ※太字剤は栽培暦三番茶期採用