第24号 茶園に使用する農薬の系統とその特性、効果使用法について

鹿児島県経済連・肥料農薬課

(殺菌剤・・・病害防除剤)

 茶園の管理作業などほぼ終わり、病害虫防除も一休みの時期になりました。今回は茶園に使用する農薬を系統別に作用、特性、効果について紹介します。今年は抗生物質のスターナ水和剤、銅剤のクミガードSC水和剤が新規に登録されました。またカスミンボルドーの使用時期が14日前まで、回数が2回などに変更になりました。薬剤は系統別に整理し、理解してください。

殺菌剤の作用特徴と使用法

 病害を防除する殺菌剤の作用は予防効果と治療効果があります。薬剤はこの何れかの作用を特徴的に有し、また両作用を有するものもあります。

●予防効果・・・病害防除の基本的作用で、病原菌が作物(茶)の組織内に侵入・感染するのを防ぐ作用で、感染前に散布して作物(茶)の表面を薬剤で覆い、そこで病原菌を殺したり、胞子の発芽、組織内への侵入を阻止して感染を防ぎ、発病を阻止するものです。このため予防効果を示す予防剤は感染前に散布しないと防除効果が得られません。予防効果を示す薬剤には銅水和剤、ダコニール1000、フロンサイドSCなどがあります。また、予防効果がどの程度の期間効果が持続するかという残効性が効果に影響します。一般に薬剤は降雨、日光などで分解消失し、効果がなくなっていきますが、茶の新葉は4—5日で1葉位のペースで開葉生長しますので、5日後頃開葉した新葉には薬剤付着がなく効果はないため一般的に予防効果を示す薬剤も5—10日程度で残効はなくなります。殺菌剤は予防効果の殺菌力の強さと残効性で防除効果の高低が決まるようです。

●治療効果・・・病原菌が作物(茶)の組織内に侵入し、感染が成立した後に散布して発病阻止や病斑進展阻止をして防除効果を示すものです。治療効果を示す薬剤は病原菌が侵入している作物(茶)組織内に有効成分が到達して殺菌効果を示すため浸透移行性や浸達性を有することが必要です。最近ではこのような治療効果を示す薬剤が多くなっています。治療効果を示す薬剤は降雨などで感染が先に進んだ潜伏期の状態でも防除効果を示します。茶に使用される薬剤ではEBI系剤のオンリーワンフロアブル、インダーフロアブル、などが治療効果を示し、感染後炭疽病では12日位、網もち病では20日位経過した状態まで、発病を阻止できることが分かっています。

●予防・治療効果・・・両効果を併せ持つ薬剤もあります。アミスター20フロアブルなどストロビルリン系薬剤は炭疽病、輪斑病に対し長い予防、治療効果ではありませんが、両効果で、防除効果を発揮し、輪斑病では感染が生じる摘採の3日後散布でも防除を示します。

●選択性・・・薬剤は病害の種類によって効果が異なります。EBI系剤は炭疽病、網もち病に効果が高い反面輪斑病には効果が低く、ストロビルリン系剤は輪斑病に高い効果あるなど特徴がみられます。一般的に予防効果を示す薬剤では選択性は低く、広く効果を示す傾向があります。

●薬剤耐性菌・・・耐性菌は、一般的に銅剤、ダコニール1000などの予防効果を示す薬剤では発生リスクは極めて低いです。耐性菌が発生しやすい薬剤は浸透移行性があり、治療効果を示す特効的薬剤で多くみられています。茶病害防除薬剤では、ベンズイミダゾール系薬剤(トップジンM ベンレート)が炭疽病、輪斑病で、1978年頃に耐性菌が発生し、現在でも高率に残っています。ストロビルリン系薬剤も2007年頃輪斑病で県内のかなりの地域に耐性菌が発生し使用できなくなっています。EBI系の薬剤も他作物の事例などから耐性菌発生が懸念されていますが、適正な使用回数が遵守されているため、明確な耐性菌発生はみられていません。耐性菌対策は使用回数などに留意する適正使用が望まれます。

主要殺菌剤の系統と作用特性・特徴・効果