第21号 秋整枝後のハダニ防除対策

鹿児島県経済連・肥料農薬課

猛暑、記録的大雨、長雨が続いた今年の夏も10月下旬になり、急激に気温が低下し、秋の深まりを感じる気候になりました。今年の秋芽生育期は生育前半の8月上旬および下旬は高温で晴天が続き、中旬は記録的大雨、長雨となり9月以降は一時秋雨前線の影響で曇雨天日もありましたが晴天が続く天候となりました。秋芽の病害虫の発生は病害が多発し、害虫は全般に概ね平年並か少ない発生に推移しました。秋整枝もほぼ終了しましたが、これまでの皆様の適切な管理により秋芽は後半になり生育・充実してきました。今回は、充実した秋芽の成葉を弱らせ、さらに来年春期発生の発生源になるハダニの防除対策についてお知らせします。

今年の発生状況・・・最近増加傾向

今年のハダニの発生は、例年被害がみられる春期は昨年に続いて概ね少発生で経過しました。また、最近一時的に増加する秋芽生育期の8-9月は更新園を中心に一時増加しましたが、その後天敵の増加や大雨や降雨持続などによって減少しました。しかし10月以降は晴天傾向が続き発生が増加傾向です。

県病害虫防除所の11月の発生予察情報では、発生ほ場率61%(平年34%)、寄生葉率9.2%(平年1.3%)で発生量は「多」、今後気温、降水量は平年並みの気象予報などから「多発生」の予報となっています。

本会で例年行ってきた10月下旬の主要産地の発生状況調査はコロナウイルスなど諸般の事情で今年は中止し、南薩、日置地区の一部産地について観察調査しましたが、発生は同様にやや多い状況でした。 カンザワハダニは例年今頃からが秋期の発生時期で、11月頃にかけて増加する傾向があります。また、温暖化の影響で年によって11月以降に増加し、越冬密度が高くなることがありますので、今後の発生にも注意が必要です。

ハダニの発生・・・秋発生と春発生との関係は

秋のハダニの発生は11月下旬頃まで続き、ここで増加したものが主に雌成虫で越冬します。また本県のような暖地では冬期でも少しずつ増加し、越冬密度がさらに高まることがあります。

越冬密度が高いと越冬後春の防除の効果も不十分になることがあり、春期多発生の原因になります。つまり、秋の発生を少なくすることが春の発生を抑えるポイントと云われています。

また、最近の研究で、越冬雌成虫の休眠個体率の変動は、今の時期、つまり10月後半から11月前半の気温の影響を受け、その期間の平均気温が17.5℃より低いと休眠個体率が高まることが明らかになっています。つまり、これからの気温や天候は越冬密度や越冬状態、ひいては春の発生にかなり影響するようです。

秋期のハダニ防除が不徹底であると

秋期ダニ防除の基本的考え方

  1. 最近秋期のハダニ発生は少ない傾向が続きましたが、これは選択性薬剤の使用に伴いカブリダニ類など天敵の増加などが影響していると思われます。このため秋期防除の重要性も低下し、従来の基幹防除から補完防除や防除不要などに変わってきました。このような状況から、防除は夫々の茶園の発生状況を確認し、要否を判断し、実施してください。
  2. 例年11月頃から増加しますので、秋期防除の時期は、秋整枝後の11月頃に成虫・幼若虫・卵のいずれのステージにも効く殺ダニ剤で防除します。
  3. この時期のハダニは、摘採面、裾部など葉層の全体に分布していますので、葉裏や裾部に薬液が十分かかるように散布します。
  4. チャトゲコナジラミの発生が多い園ではミルベノック乳剤、アグリメック、ダニゲッターフロアブルなどで同時防除する。
  5. ミルベノック乳剤、マイトコーネフロアブル、ダニゲッターフロアブル、アグリメック、スターマイトフロアブル、マシン油、サンクリスタル乳剤はサビダニ類にも有効である。

秋整枝後のハダニなどの薬剤防除法