第14号 予防的殺菌剤と治療的殺菌剤の混用による新防除技術

鹿児島経済連・肥料農薬課

 県農業開発総合センター茶業部から2019年に普及に移す研究成果(普及情報)として秋芽生育期における炭疽病など病害の予防的殺菌剤と治療的殺菌剤の混用1回散布法による新しい効率的防除法が発表されました。本防除法は降雨が続く、多発生条件下でも安定した防除効果を示し、また、この時期に発生する炭疽病、新梢枯死症、網もち病を効果的に防除でき、慣行体系防除法(萌芽~1葉期と3~4葉期2回散布)に比較し同等以上の防除効果を上げることが判明していますので、紹介します。

新防除法の理論概要

秋芽生育期の多雨条件、多発状況における病害新防除法 

ダコニール1000とインダーフロアブル又はオンリーワンフロアブルの混用散布による新防除法

予防効果の長い残効性があるダコニール1000(散布後7-10日程度感染を阻止する効果)と治療効果の高いインダーフロアブル、オンリーワンフロアブル(散布12日程度前までの感染の発病阻止効果)を2~4葉期に混用散布する方法により両薬剤の作用特徴を活用し、1回散布で、感染が起こる秋芽生育期の萌芽~5葉期頃まで概ね20日間程度炭疽病、新梢枯死症、網もち病など病害の感染・発病を阻止できる。また、慣行防除法の散布遅れ、残効低下による防除効果低下などをクリアし、防除効果の安定化が図られる。

秋芽生育期の病害防除法

 秋芽の生育 萌芽 1葉期 2葉期 3葉期 4葉期 5葉期 6葉期

    感染期   ←・・・・・・炭疽病・・・・・・→

            ←・・・新梢枯死症・・・→

                  ←・・・・網もち病・・・・→ 

 慣行防除法 (23回体系防除法)

 萌芽-1葉期       3-4葉期    4-6葉期

 ←・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・→

  ダコニール1000      インダー・オンリーワンフロアブル   銅剤 (2-3回防除体系) 

欠点 

①予防効果と治療効果の重複作用面があり、無駄がある。散布回数が多い。

②1回目散布(萌芽~1葉期)が降雨などで遅れると防除効果が低下する。

③2回目散布が早いと残効が低下し、生育後半期に感染発病が生じる恐れあり。 

新防除法 (混用1回散布防除法)

              2-4葉期

 ←・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・→

         ダコニール1000 700~1000倍+インダーフロアブル5000~8000倍混用散布

                          〃            +オンリーワンフロアブル2000~3000倍混用散布

特徴 

①1回散布で、秋芽生育期間(概20日間)炭疽病。新梢枯死症、網もち病の感染・発病を阻止し、安定した防除効果で、同時防除できる。

予防的殺菌剤・治療的殺菌剤の混用散布法の防除法と留意点

  1. 治療剤(DMI剤)の治療効果(12日程度)から判断し、秋芽2-4葉期に散布する。
  2. 降雨による感染を予察し、萌芽後最初の降雨から11-12日後頃迄の散布とする。
  3. 伝染源量、降雨状況により薬剤の散布濃度は高・低濃度を設定する。
  4. 新梢枯死症防除は2-3葉期散布の効果が高い。
  5. 網もち病の感染は生育後半のため多発生園では銅剤を4-6葉期に追加散布する。
  6. 害虫防除は慣行どおり実施する。本混用散布法は2回目に同時防除するとよい。
  7. 殺虫剤との3種混用散布は試験の結果薬害などの問題はみられなかった。

秋芽生育期のダコニール1000+DMI剤混用散布病害防除効果試験結果総 括 (防除率%)