第13号 三・四番茶摘採後および更新園の病害虫防除対策

鹿児島県経済連・肥料農薬課

今年の梅雨は中休みなどもあり、晴天日も多くありましたが、末期には豪雨があり、北薩地域に被害が発生しました。7月11日に梅雨明けとなりました。これからは連日蒸し暑い厳しい気候が続きそうです。今年は茶市況が幾分改善し、三番茶の摘採は順調に行われているようですが、三番茶の生産は早場産地から始まってきました。

これから病害虫の活動は最も盛んな時期になりますので発生状況に注意しましょう。三番茶を摘採した後や更新園再生芽で発生する病害虫には輪斑病・炭疽病・新梢枯死症・チャノミドリヒメヨコバイ・チャノキイロアザミウマ・ハマキムシルイ・カンザワハダニ・ヨモギエダシャクなどがあります。この時期の茶園の防除は、来年の一番茶の基になる秋芽の充実や樹勢維持のために大切です。

☆防除の考え方

 「やぶきた」園の輪斑病防除は摘採直後に行います。チャノミドリヒメヨコバイ・チャノキイロアザミウマは梅雨明け後増加しますので、発生の多い園は摘採後から秋芽萌芽前までに防除し、秋芽に対する加害を未然に予防します。ヨモギエダシャクは発生状況を観察し、多い場合は出来るだけ若齢幼虫期に防除します。ハマキムシ類はハマキ天敵、ハマキコン-Nなどによる防除を実施していない園では発生に注意し、若齢幼虫期に同時防除します。

 今年も二番茶後の深刈り、浅刈りなどの更新園が多いですが、更新後の樹勢回復のため再生芽の萌芽・生育初期のチャノミドリヒメヨコバイ、チャノキイロアザミウマ防除および「やぶきた」園では生育期の新梢枯死症、炭疽病、再生芽整枝後の輪斑病防除は的確に行います。輪斑病、チャノミドリヒメヨコバイ、ハマキムシ類などの防除薬剤の一部には耐性菌発生や感受性低下がみられますので薬剤選択にも注意します。なお、薬剤使用回数は三番茶(最終)摘採・整枝、再生芽整枝でリセットされ、秋芽生育期~秋整枝までが一収穫期になりますので、薬剤選定に留意します。

☆輪斑病 ・新梢枯死症…やや多  炭疽病  黒葉腐病

 今年の発生は、二番茶摘採後まではやや多発生の状況でした。梅雨が上がり、気温が高くなり、三番茶摘採は俄雨なども多くなる恐れがあり、発生しやすくなると思われます。本病は主に高温の雨天時や葉が濡れている状態で摘採や整枝を行うと、その切り口から感染し、発病しますが、降雨がなくても摘採・整枝時の傷の汁液でも感染しますので、伝染源病葉の多い園などは注意が必要です。このため薬剤防除は摘採・整枝後できるだけ早く行うことがポイントで、摘採3日後までに散布します。摘採後すぐに防除が出来ない場合が多いので、摘採1週間後頃に 1cm位整枝して直ちに防除を行う方法が現実的です。また、今年も深刈り、浅刈りなど更新園が多いですが、「やぶきた」園は更新後の再生芽生育期に新梢枯死症、炭疽病、再生芽整枝直後に輪斑病の防除をします。

☆チャノミドリヒメヨコバイ…多  チャノキイロアザミウマ…やや少

両害虫とも今年は梅雨期の降雨は陽性型の状況でしたので発生がやや多い状態で経過しました。梅雨が明けて、乾燥した天気が続くと発生はさらに多くなります。増殖が早く、秋芽の生育・充実が著しく阻害されます。発生が多い傾向の園では秋芽の萌芽前に補完防除して密度低下を図ります。残効の長い薬剤の使用が望ましいです。  

深刈り、浅刈りなどの更新園の再生芽は集中的に被害を受け、樹勢回復に著しく影響しますので、特に注意します。

☆コカクモンハマキ…やや多 チャハマキ…多 チャノホソガ…やや多 ヨモギエダシャク

 最近発生が多くなり、毎年この時期から被害が増加します。この時期の発生はダラダラと不揃いになり、いずれも若齢幼虫期、巻葉初期、葉潜卷葉期に防除することがポイントです。

三・四番茶摘採後および更新園の病害虫薬剤防除法

☆注意

①ダコニール1000は秋芽生育期に使用予定の場合には最終摘採・整枝後の使用は出来ない。

②薬剤選定はこれまでの使用状況、秋芽生育期使用予定や耐性菌、抵抗性問題を考慮して行う。

三番茶摘採後に発生する病害虫