第11号 二番茶後浅刈り、深刈り更新園の三番茶芽防除対策

鹿児島経済連・肥料農薬課

今年の鹿児島の梅雨入りは5月11日に発表され、記録的に早い梅雨入りとなり、二番茶芽生育期は雨曇天の気候になりました。梅雨の最盛期になりましたが、最近では爽やかな晴天が数日続く梅雨の中休みもあり、これから梅雨後半の気象状況がどうなるか気掛かりです。  

今年の茶市況は、新型コロナウイルス流行の影響などで厳しかった昨年に比較し、幾分改善し、安堵しているところです。二番茶摘採も終盤になり、二番茶後に浅刈り、深刈りなど更新を行う栽培管理がかなり一般的になってきました。そこで、今回は二番茶後浅刈り、深刈り更新園の再生芽(三番茶芽)生育期の病害虫防除対策について考えてみたいと思います。

二番茶後浅刈り、深刈り園の管理と病害虫防除対策

二番茶後浅刈り、深刈り更新園では再生芽(三番茶芽)の生育は当然遅くなり、通常の三番茶摘採園に比較し萌芽は5~10日程遅くなります。このため再生芽(三番茶芽)の萌芽は地域により異なりますが、梅雨明け頃になることが想定され。再生芽(三番茶芽)は概ね8月上旬頃に摘採時期になることが考えられます。浅刈り、深刈りで茶園の葉層は古葉や成葉

が少し残る状態に減少しますので、一般に病害虫の伝染源や発生源も減少し、耕種的防除効果が期待できます。これまでの観察で炭疽病の発生は著しく減少し、防除の必要性は少なくなります。しかし、輪斑病の病原菌は葉の病斑だけでなく枝条、残葉、枯葉などにも生存していますので、再生芽(三番茶芽)を摘採整枝する時に感染し、多発生することがあります。特に、チャノミドリヒメヨコバイ、チャノキイロアザミウマ、などは密度回復が早く、寧ろ萌芽生育初期に集中加害を受けることがあり、また、カンザワハダニはカブリダニなど天敵類の減少のため暫く経過した秋芽生育期頃に増加し、被害を受けることがあり、注意を要します。なお、浅刈り、深刈り更新園は再生芽を摘採するか否かを早めに判断し、それによって薬剤防除を適切にすすめます。

発生する病害虫と防除対策

炭疽病・・・更新により伝染源病葉が減少し、茶芽生育期が梅雨明け以降になれば発生は少なくなります。浅刈りなどで、病葉が少し残る状態では生育後半にやや感染が生じますので、降雨が多い気象条件になる場合は2-3葉期頃迄に防除が必要になります。

輪斑病・・・病原菌は更新しても枝条、残葉、枯葉などに残り伝染源になり、再生芽の摘採・整枝時に感染しますので、一般園と同様摘採・整枝後直ちに防除します。

チャノミドリヒメヨコバイ チャノキイロアザミウマ・・・浅刈り、深刈り更新園は葉が少なく、萌芽初期は芽が少ないため集中加害を受け、被害が大きくなります。萌芽、生育初期に重点防除します。

ハマキムシ類 チャノホソガ シャクトリムシ・・・周辺園から飛来することもありますが、一般に発生は少なくなりますので、特に防除の必要性はないようです。

カンザワハダニ・・・再生芽で生育後半から発生がみられる場合は、発生初期に防除します。

クワシロカイガラムシ チャトゲコナジラミ・・・茶芽生育時期が遅れ、萌芽~生育初期に第2世代虫の発生時期になり、クワシロカイガラムシはふ化最盛期、チャトゲコナジラミは若齢幼虫期の防除適期となり、防除が可能になると思われます。また、葉が少なく散布薬液が懸りやすいので、防除効果も高まりますので、発生園では防除を実施してください。

浅刈り、深刈り更新園の再生芽(三番茶芽)生育期の病害虫防除対策