第5号 かいよう病の発生と防除対策

鹿児島県経済連・肥料農薬課

1980年頃本県の田代町、知覧町で初発生した「かいよう病」が約40年振りに南九州市知覧町大隣地区で発生が確認されました。本病は植原、野中らによって発見されたキサントモナス属の細菌病ですが当時は極稀な発生で、被害は殆どみられませんでした。今回の発生は2圃場については、一番茶芽の枯死や枝枯れ、落葉などを呈するかなり激しい被害で、畦南側部が晩霜害様の被害状況でした。また周辺の南薩地区について調査した結果かなり広範囲に軽微な発生が確認されましたが、確認が難しいため軽微な発生はかなり広く分布していると思われます。発生品種はいずれも「ゆたかみどり」でした。本病は主に台風などの防風雨により傷感染するため、今回の発生被害は昨年8月下旬~9月上旬に襲来した台風8~10号、特に10号による発生と推察され、その際の南からの暴風雨により東西畦の南側や茶園周辺部に多発しています。

病 徴 
若い葉、新梢に発生する。初め若い葉の裏側や新梢に淡緑色、油胞状の小斑点を生じ、その後拡大して径3~5mmのやや隆起した褐色病斑となり、表面がひび割れ、中央部が裂開・陥没した瘡蓋状病斑(現在の症状)となる。枝梢では茎全体が黒褐変・硬化した病斑となり、縦にしわ状のひび割れを生じ、基部から黒変して枝枯れとなる。発病葉は落葉しやすく、枝梢
の枯死により萌芽前状態で芽は枯死し、萌芽後は霜害様に新芽が枯死する。

発生時期
一番茶芽生育期から秋芽生育期に発生するが、主に台風が襲来する時期に発生する。

発生生態
茶畦の裾部や周辺部、枝梢を伸ばした状態の園、幼木園や自然仕立て園など風の当たりやすい場所で発生しやすい。接種試験によると開葉後30日位までの若い葉だけに感染・発病がみられる。無傷では感染せず、傷感染する。潜伏期間は約10日である。病原細菌の生育適温は
28~30℃である。病原細菌の越冬は罹病葉や罹病枝梢で行われると思われる。なお本病はツバキ科のサザンカ、ヒサカキなどにも発生するため周辺のこれらの樹木からの伝染が推察される。

防除対策
防除法について試験はなく登録された農薬もないが、病原細菌の性質と発生生態から次のような対策が有効であろうと思われる。
防風垣、防風ネットを設置する。
伝染源となる罹病葉、罹病枝梢を整剪枝する。
登録農薬はないが、赤焼病に有効なカスガマイシン・銅水和剤、銅水和剤を茶芽生育期の台風など防風雨直前・直後に散布する。
現在の多発生園では一番茶後に中切り、深刈りなどで、罹病葉、罹病枝梢を切除する。