第4号 一番茶萌芽期~生育初期の病害虫防除対策

鹿児島県経済連肥料農薬課

鹿児島の今年の冬(12月~1月)はかなり低い気温で経過し、降雪もありましたが、2月立春頃からはかなり温かい日が続きました。その後2月中旬は一時強い寒の戻りで気温低下、降雪があり、寒暖の変化が大きい気象となりました。啓蟄も過ぎ、各地の桜の開花も近まりました。期待する一番茶芽の生育も早場産地では萌芽から開葉期になり、平年より早い生育状態と思われます。  

茶園の病害虫もカンザワハダニなど害虫の活動が始まる時期になりました。今回は一番茶萌芽前から生育初期の病害虫防除対策についてお知らせします。

一番茶前の防除の考え方

病害虫も活動し始めてきました。これから一番茶にかけては赤焼病、カンザワハダニ、サビダニルイ、ツマグロアオカスミカメ、マダラカサハラハムシ、コミカンアブラムシなどが発生します。

 この時期に発生する病害虫被害は、一番茶の収量・品質に直接影響しますが、一番茶摘採を控えていますので消費者に与えるイメージや「クリーンなかごしま茶づくり」などを考慮し、できるだけ薬剤防除は避け、発生・被害のため止むを得ず行う場合は薬剤の使用時期には十分な注意が必要です。特に茶園の見回りを入念に行って病害虫の発生を早めに予察し、防除の要否を適切に判断しましょう。防除しなければならない状態の場合は、萌芽期~1葉期頃までに行い、使用基準の期間を十分確保できる薬剤を選定します。

一番茶萌芽~生育初期の病害虫防除

○ 赤焼病
今年の発生も極めて少なく、南薩、日置などの極一部園でのみ発生が確認されている程度です。今後も発生の拡大は少なく、防除の必要は少ないようです。
○ カンザワハダニ  
一番茶期は最も発生しやすい時期で、今頃から発生が多くなります。気温が高くなり、乾燥した天気が続くと多くなります。これからは気温が高い気象予報ですが、県病害虫防除所の3月の発生予察情報では「やや多」の予報となっており、また、本会の2月下旬調査では例年に比較し、寄生葉率、越冬密度は低い状況でしたが、産卵・増殖はやや早い傾向でした。これから一番茶芽生育期に気温が高く、晴天・乾燥が続く場合や、晩霜被害後などは発生が増加しますので、発生に注意しましょう。
○ サビダニ類 (チャノナガサビダニ チャノサビダニ)
最近発生が多くなってきており、今年も一部地域や茶園では越冬密度がやや高い状況でした。一般に一番茶摘採後頃をピークに増加し、葉の褐変・萎縮・落葉などの被害がありますので、例年発生する園などは一番茶生育初期にハダニと同時防除します。
○ ツマグロアオカスミカメ
本虫は、秋に雑草の花などに発生した成虫が飛来し、秋整枝後などの枝梢の切口に産卵し、越冬しています。このふ化幼虫・成虫が一・二番茶芽生育期に新芽を加害し、被害を生じます。このため周辺に雑草の多い園や例年発生する園などで局地的に発生する傾向があります。萌芽~1葉期頃に防除します。
○ マダラカサハラハムシ
主に秋芽生育期に発生しますが、稀に越冬した成虫により一番茶芽も加害され、被害を生じることがあります。秋に発生の多かった園では、発生に注意します。
○ コミカンアブラムシ   チャノホソガ
被害は殆どないので、出品茶園などを除き特に防除の必要はないでしょう。
○ 輪紋葉枯病
降雨日が多い条件で、周辺にツバキ科植物がある園は発生に注意しましょう。

表 一番茶芽萌芽~生育初期に発生する病害虫の薬剤防除法