第3号 一・二番茶の減収・品質低下をもたらす 越冬後春ダニの防除対策

鹿児島県経済連・肥料農薬課

今冬は12月~1月中旬までは平年より低い気温になり、降雪などもありましたが、その後温かい日が続きました。しかし立春も過ぎ2月17-18日は再び強い寒波襲来で降雪があり、その後急激な気温上昇になりました。今後の気象予報では気温は平年より高い予報で、今年の春の訪れは早いように思われます。まだこれからも三寒四温の寒暖の変化を繰り返しながら春に向かうと思われます。これからは晩霜対策などにも十分な注意が必要です。茶園では一番茶への期待を込め整枝作業なども始まりました。今回は春に発生し、一・二番茶に被害をもたらすカンザワハダニなどの発生状況と防除対策についてお知らせします。

ハダニの発生のしかた

主に春に発生し、一番茶の摘採期頃に多くなり、一番茶の減収や品質低下などの被害をもたらします。一般に雨が少なく、乾燥した温かい天候が続くと急増します。越冬期の気象は、10月後半~11月前半の気温(17.5℃以上で、休眠率が低下)および1月の平均気温(7.6℃以上で、産卵数増加)が高いと多発要因といわれますが、今冬はそのような気象状況になく、越冬密度は高くないようです。しかし、これから3・4月の気温が高く、晴天・乾燥が続く年は多発生しやすいこともあります。

冬の間は、日当たりの良い茶畦南側の裾葉で朱色をした雌成虫(写真)で越冬します。しかし、温かい南九州などでは真冬でも年によっては休眠せず、少しずつ増殖しますので卵や幼虫がみられることがあり、今年もこのような傾向がみられます。一般的には平均気温が8~10℃以上になる2月下旬頃から雌成虫は休眠から醒め、体色も濃赤色に変わり、本格的に産卵を始め、増殖します。

今年の発生状況と予測

越冬密度やや低い 発生はやや少、増殖時期は早い越

春の発生や越冬密度に影響する昨年秋の発生は平年並みかやや低い状況でした。その後、晩秋から越冬期の気象は気温が平年並みから低く推移しましたので、休眠雌率は並、越冬密度もやや低い状態で推移し、県病害虫防除所の調査結果は1月がやや少発生で、3月の予察情報もやや多発生と予測しています。

2月24日、3月1日に行った南薩、日置地域の調査における平均寄生葉率は0~6%で、昨年よりやや低い状況でした。防除所の調査でも同様で産地間の発生差も少ないようです。しかし、一部調査茶園では高い状態の園もあり、圃場間差はみられました。越冬密度は全般に低い状態で、成虫の寄生頭数は殆どの調査園が10頭以下/100葉で、少ないでした。幼若虫数は10~100頭/100葉でかなり多くなっていました。また、卵はやや多くみられ、最近の気温が高いため産卵は例年より早い状態で、増殖が始まっている状況でした。

なお、サビダニ類の多発生がこの数年続いていますが、サビダニ類が寄生している園も一部で認められました。

防除対策

越冬後の春期ダニ防除は、多発する恐れのある一二番茶の被害を未然に防ぐ上で欠かせません。確実に行いましょう。

春ダニの防除は増殖が進んでからは手遅れ・・・先ず自分で越冬ハダニを調べ・・・防除対策

基本的防除は平均気温が10℃を超える頃(3月上旬)にダニゲッターフロアブル、茶ちゃっとフロアブル、バロックフロアブルなどを散布します。今年は概ね平年どおりの散布で良いでしょう。

しかし、増殖がかなりすすんで発生の多い園ではダニサラバフロアブルを散布します。

越冬後ハダニ防除のポイント

①この時期の防除は増殖開始期であり、長い効果の持続が要求されるため殺卵・殺幼虫効果が高   く、残効性の長い薬剤の使用が望ましい。(ダニゲッター・茶ちゃっと・バロック)

②多発生してからの防除効果は低下するので、発生初期防除に努める。

③天敵類(カブリダニ類など)に影響の少ない薬剤を選ぶ。

④殺成虫効果主体で速効性の薬剤は一番茶摘採期頃に発生が増加するので避ける。

⑤十分な散布量で、この時期寄生の多い裾部や葉裏によくかかる散布法で防除効果を高める。展着剤の加用はダニおよび葉裏への薬液の付着が高まり、効果が安定する。

各産地・越冬後カンザワハダニ防除時期の目安

有機栽培園のダニ類防除法

春期のダニ類などの薬剤防除法

カンザワハダニ 発生状況