【第7号】

平成29年5月

夏茶の品質向上・安定生産のための二番茶芽生育期の病害虫防除対策

新緑の輝く初夏らしい気候になりました。遅れていた一番茶の生産は遅場産地でもほぼ終盤を迎え、早場産地では二番茶芽の萌芽生育も始まりそうです。今回は夏茶の品質や収量に影響する二番茶芽生育期の病害虫防除対策についてお知らせします。

☆病害虫の発生概要

◎炭疽病・・・「並」  黒葉腐病・・・「注意」

昨年秋に発病した越冬病葉は少ないでしたが、今年も一番茶芽生育期は曇雨天日が多く、このため伝染源として活力の高い摘採残葉の新発病葉数がやや増加してきました。

また、二番茶芽の生育期は梅雨入りも予想されますので、発生はやや多くなりそうです。黒葉腐病も降雨が続くと、この時期から発生の恐れがあり、注意が必要です。

 

◎チャノミドリヒメヨコバイ・・・「並」 チャノキイロアザミウマ・・・「やや多」

一番茶後気温が上がってきたためチャノミドリヒメヨコバイ、チャノキイロアザミウマともやや増加しています。また、これから発生が多くなる時期になります。梅雨入りが遅れ、晴天傾向の天気が続くと多発し、二番茶芽に被害が出る恐れもあります。

 

◎チャノホソガ ・・・「発生量 並」 「発生時期 並」

例年、二番茶以降に発生が多くなり、夏茶の水赤の原因にもなりますので注意します。一番茶残葉の三角巻葉発生状況や二番茶芽の萌芽~1葉期頃に産卵、葉潜り状況を観察して発生を判断します。発生時期と新芽生育期が合う園で発生が多くなります。

☆基本的な防除対策

この時期は品種、芽の生育状態、病害虫の発生状況に対応した防除をします。いずれの病害虫も萌芽から1葉期頃が散布適期です。「やぶきた」園などは混用散布により同時防除します。また、この時期は萌芽から摘採までの期間が短く、気温の上昇で芽の生育が早まることがありますので使用基準の摘採7−10日前に使用できる薬剤を選択し、散布します。

また、最近、一部薬剤では薬剤耐性菌や感受性低下が地域によって生じていますので、地域の栽培暦に採用されている薬剤で防除します。

 

◎炭疽病 黒葉腐病・・・・・降雨が多いときは注意  降雨前に防除

炭疽病は「やぶきた」園などでは梅雨入りで発生が多くなりますので防除が必要です。摘採残葉として残る下位1−2葉を守るよう萌芽~1葉期の降雨前にダコニール1000での予防防除が基本です。特に伝染源病葉の多い園で、降雨持続後散布になるような場合はダコニール1000とインダーフロアブルを低濃度で混用散布すると効果的に防除できます。黒葉腐病は樹勢が良く、芽の詰った園や「ゆたかみどり」などの品種で、特に被覆園に発生しやすいですので、萌芽期~1葉期頃にダコニール1000を予防散布しておきます。

 

◎チャノミドリヒメヨコバイ  チャノキイロアザミウマ・・・・・雨が少ないと多くなる

梅雨入りが遅れ、天気が続くと多くなります。芽の生育初期に加害を受けると被害が大きくなるので萌芽期頃の防除が最適です。チャノホソガ、炭疽病などと同時防除する場合は萌芽~1葉期に防除するとよいでしょう。ネオニコチノイド系薬剤など一部薬剤で感受性が低下していますのでウララDFなど地区栽培暦採用薬剤で防除します。

 

◎チャノホソガ・・・・・品質への影響大

1葉期頃に産卵・幼虫の葉潜り状況をみて防除を判断します。多くみられる園では1葉期頃に防除します。2−3葉期以降に産卵がみられ、10日以内に摘採予定の園では被害は回避できますので防除の必要はありません。これまで使用されてきたIGR系キチン合成・脱皮阻害剤など(ノーモルト乳剤、カスケード乳剤)で感受性が低下している地域ではサムコルフロアブル、IGR系脱皮促進剤のファルコンフロアブルなど地域の栽培暦採用薬剤で防除します。

☆二番茶芽生育期の病害虫防除法☆

いろいろな農作物の生産時期です。隣接作物や収穫前の隣接園に散布農薬が飛散しないように十分注意しましょう。

鹿児島県経済連・肥料農薬課

防除適期は同じ産地でもほ場によって異なることがあります。このためこの情報は大まかな目安とし,

正確な防除適期はJAの営農指導員や地域振興局などに調べてもらいましょう。

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