【第3号】

平成29年3月1日

一・二番茶の減収・品質低下をもたらす

越冬後春ダニの防除対策

今年の冬も南九州は概ね暖冬傾向で推移し、寒暖の変化がやや大きい気象となりました。春一番も吹き、漸く温かい日もみられるようになりましたが、これからも三寒四温の寒暖の変化を繰り返しながら本格的な春に向かうと思われます。茶園では一番茶への期待を込め整枝・施肥作業なども始まりました。今回は春に発生が多く、一・二番茶に被害をもたらすカンザワハダニなどの発生状況と防除対策についてお知らせします。

☆ハダニの発生のしかた

主に春に発生し、一番茶の摘採期頃に多くなり、一番茶の減収や品質低下などの被害をもたらします。一般に雨が少なく、乾燥した温かい天候が続くと急増します。10月後半~11月前半の気温(17.5℃以上で、休眠率が低下)および1月の平均気温(7.6℃以上で、産卵数増加)が高い気象は多発要因になり、また、越冬密度が高く、3・4月の気温が高く、晴天・乾燥が続く年は多発生します。

冬の間は、日当たりの良い茶畦南側の裾葉で朱色をした雌成虫で越冬しています。しかし、温かい南九州などでは真冬でも年によっては休眠せず、少しずつ増殖しますので卵や幼虫がみられることがあります。一般的には平均気温が8~10℃以上になる2月下旬頃から雌成虫は休眠から醒め、体色も濃赤色に変わり、本格的に産卵を始め、増殖します。

☆今年の発生状況と予測

春期の発生や越冬密度に影響する昨年秋期の発生は平年より少ない状況でした。しかし、その後、晩秋から1月上旬の気象は気温が平年より高く推移しましたので、休眠雌率は低く、越冬密度もやや高い状態で推移しました。県病害虫防除所の2月10~17日の調査では発生圃場率52%(平年52%)寄生葉率2.7%(平年3.4%)で平年並み、休眠雌率は低く、3月の降雨は少なく、気温やや高い気象予報などから、3月の発生予察情報はやや多発生と予測しています。

2月23日から行った本会の調査における県内産地別の平均寄生葉率は図に示すように

1~10%で、産地間差はあるものの、4~5%を超える地区が大隅、南薩地域で多くみられ、昨年よりかなり高い傾向でした。また、調査園では発生園の成虫の寄生数も10頭/100葉以上の園が多くみられ、やや高い密度でした。特に、調査時(2月下旬)の寄生状況は休眠から覚めた活発な雌成虫と産下直後の卵が多くみられ、ふ化幼虫もかなりみられました。現在本格的に産卵が始まり、増殖期に入った状況で、昨年のデーターと比較し、発生はかなり早い傾向のようでした。

なお、サビダニ類の多発生がこの数年続いていますが、今年もサビダニ類が寄生している園はかなり認められました。今年も例年発生の多い地域や園は発生に注意が必要です。

☆今年の発生状況と予測

春ダニの防除は増殖が進んでからは手遅れ・・先ず自分で越冬ハダニを調べ・・・防除対策

裾葉100~200葉採取観察

寄生葉率5%以上かどうか

100葉当たり10頭以上(成・幼虫・卵)の防除

薬剤

基本的防除は、平均気温が10℃を超える頃(3月上中旬)にバロックフロアブル、ダニゲッターフロアブル、茶ちゃっとフロアブルなどを散布します。

今年は越冬密度がやや高く、既に産卵、幼虫ふ化も始まっており、早めの防除が良いでしょう。

特に寄生葉率が高い園では最初にオマイト乳剤を散布して成虫密度の低下を図り、3月中旬頃にバロックフロアブルなどを散布する方法もよいでしょう。また、熊毛地区など増殖がかなりすすんでいる地区ではダニサラバフロアブルを散布します。

☆越冬後ハダニ防除のポイント

☆各産地・越冬後カンザワハダニ防除時期の目安

☆ 春期のダニ類などの薬剤防除法

越冬密度やや高い  発生はやや多、 増殖早い

越冬後の春期ダニ防除は、多発する恐れのある一二番茶の被害を未然に防ぐ上で欠かせません。確実に行いましょう。

鹿児島県経済連・肥料農薬課

① この時期の防除は増殖開始期であり、長い効果の持続が要求されるため殺卵・殺幼虫効果が高く、残効性の長い薬

  剤の使用が望ましい。(バロック・ダニゲッター・茶ちゃっと)

② 多発生してからの防除効果は低下するので、発生初期防除に努める。

③ 天敵類(ケナガカブリダニなど)に影響の少ない薬剤を選ぶ。

④ 殺成虫効果主体で速効性の薬剤は一番茶摘採期頃に発生が増加するので避ける。

⑤ 十分な散布量で、裾部や葉裏によくかかる散布法で防除効果を高める。展着剤の加用はダニおよび葉裏への薬液の

  付着が高まり、効果が安定する。

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