【第16号】

平成30年10月31日

秋芽を弱らせ・来年の発生源となる  秋整枝後のハダニ防除対策

気温の高い傾向が続いた今年の秋も10月中旬頃から、急激に気温が低下し、秋の深まりを感じる気候になりました。今年の秋芽生育期の病害虫発生は生育期前半に高温で降雨が少なかったことなどため病虫害とも概ね少発生に推移し、秋芽は比較的に良好な状態に生育しました。秋整枝もほぼ終了してきまましたが、これまでの皆様の適切な管理と9月の適度な降雨などにより秋芽は後半になって旺盛に生育・充実してきました。今回は、充実した秋芽の成葉を弱らせ、さらに来年春の発生の発生源になるハダニの防除対策についてお知らせします。

☆ 今年の発生状況

今年のハダニの発生は、例年被害がみられる春期は昨年に続いて少発生で経過しました。また、最近一時的に増加する秋芽生育期の8-9月は更新園を中心にやや多く発生がみられましたが、発生園も天敵の増加や台風などによって減少し、県病害虫防除所の11月の発生予察情報では、発生ほ場率25%(平年33%、寄生葉率1.3%(平年1.3%)などから「並」発生の予報となっています。

今回、本会で10月22~26日に主要産地の発生状況を調査した結果は図に示すとおりです。地区ごとの寄生葉率は末吉・大隅(5%以下)を除き、殆どの地区が2%以下で、発生のやや多かった昨年より低い状況となっています。

カンザワハダニは例年今頃からが秋期の発生時期で、11月頃にかけて増加する傾向があります。また、温暖化の影響で年によって11月以降に増加し、越冬密度が高くなることがありますので、今後の発生にも注意が必要です。

☆ 県内主要産地の発生状況

☆ ハダニの発生・・・秋発生と春発生との関係は

秋のハダニの発生は11月下旬頃まで続き、ここで増加したものが主に雌成虫で越冬します。また本県のような暖地では冬期でも少しずつ増加し、越冬密度がさらに高まります。

越冬密度が高いと越冬後春の防除の効果も不十分になることがあり、春期多発生の原因になります。つまり、秋の発生を少なくすることが春の発生を抑えるポイントと云われています。

 また、最近の研究で、越冬雌成虫の休眠個体率の変動は、今の時期、つまり10月後半から11月前半の気温の影響を受け、その期間の平均気温が17.5℃より低いと休眠個体率が高まることが明らかになっています。つまり、これからの気温や天候は越冬密度や越冬状態、ひいては春の発生にかなり影響するようです。

☆ 秋期のハダニ防除が不徹底であると

秋期防除不徹底・・➡

発生源越冬量の増加 休眠個体の変動

秋芽成葉の衰弱・早期落葉など

春期防除の効果不十分となる

樹勢などに影響

一番茶期前後に多発生

一 二番茶の減収 品質低下

☆ 秋期ダニ防除の基本的考え方

(1) 例年11月頃から増加しますので、秋期防除の時期は、秋整枝後の11月頃に成虫・幼若虫・卵のいずれのス

   テージにも効く殺ダニ剤で防除します。

(2) この時期のハダニは、摘採面、裾部など葉層の全体に分布していますので、葉裏や裾部に薬液が十分かかるよ

   うに散布します。

(3) 発生が多い場合や、これからの気温が高く、発生が続く場合は、越冬期の12月下旬~2月頃にマシン油剤(ハーベ

   ストオイル トモノールS)による補完防除も行います。

☆ 秋整枝後のハダニなどの薬剤防除法

注) ① マシン油剤は散布後凍害発生や赤焼病発生を助長することがあるので、使用する場合は茶葉、越冬芽が耐凍性を

           獲得した12月下旬から1月頃に行う

鹿児島県経済連・肥料農薬課

充実した秋芽への多発性・加害

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